特別展「始皇帝と大兵馬俑」を見学しました。

<夕刻までに、二体の俑が、穴の底から掘り出された。

人ーそれも、兵士の立像であった。

「なあ、空海よ、これが俑ということは、つまりー」

逸勢が、そこまで言って、その先を口にしたくないとでも言うように、

言葉を呑み込んだ。

俑というのは、王の墓に埋める人型の人形のことである。墓に副葬する葬具の

一種だ。・・・

始めは、人が、その王の屍体と共に、殉死者として、その墓に葬られていたのだが、

それが、後にとってかわり、俑となった。>

「沙門空海唐の国にて鬼と宴すー夢枕獏著」巻ノ二、第十五章  呪俑 にでてくる場面です。

目下、読んでいる本の抜粋です。

そして、まさにこの兵馬俑に関する展示が大阪国際美術館で開催されていて、

身近に兵馬俑を見て、興味がつきないところです。

今さらながら驚いたことがありました。

それは、いまからおよそ二千二百年も前のこと、

埋葬された俑は顔料で彩色が施されていた、とのことです。

展示物はすべて撮影禁止でした。出口にあったレプリカの俑。

もうまもなく終わります。